
【この記事の結論】
- ロレックス購入は「浪費」ではなく、現金から「現物資産」へのポートフォリオ組み替えである
- 定価との差額(プレ値)は、入手にかかる膨大な「時間と労力」をカットするための必要経費だ
- 高いリセールバリューを考慮すれば、実質コストは月額5,000円程度の「サブスク」に過ぎない
私はダイバーズウォッチが好きです。
その無骨な見た目と実用性は、あらゆる腕時計のジャンルの中でもトップクラスでしょう。
そして、「ザ・ダイバーズウォッチ」といえばロレックス・サブマリーナ一択。
しかし、正規店では入手が困難な上、市場価格はなかなか高価なものです。
記事執筆時点(2025/12/14)で、最新の王道モデル「サブマリーナ デイト(Ref.126610LN)」の並行輸入店における新品相場は 約240万円です。
これに対し、正規店での定価は ¥1,570,800。
市場価格は定価に対して 約827,200円(約53%) も上乗せされた状態にあります。
一般的な金銭感覚で言えば、定価の1.5倍もの金額を支払う行為は「浪費」以外の何物でもありません。
「情弱」と笑われるか、「道楽」と呆れられるのがオチでしょう。
多くの人が正規店に通い詰め、定価で購入しようとする(いわゆる「ロレックスマラソン」)のも無理はありません。
しかし、もしあなたが「自分の時間単価」を正しく把握しているビジネスパーソンや専門職であるなら、この「プレ値(プレミアム価格)」の見え方は劇的に変わるはずです。
今回は、感情論やブランド論ではなく、「B/S(貸借対照表)思考」と「サンクコストの損切り」という、極めてドライで合理的な視点から、あえて並行店で即決することの経済的合理性を紐解いていきます。
【この記事の目次】
1. 「消費(P/L)」と「資産の振替(B/S)」を混同していないか?
まず、家計簿的な「P/L(損益計算書)」脳から脱却し、「B/S(貸借対照表)」脳に切り替えてみましょう。
240万円の高級時計を買う行為は、一見すると巨額の「支出」です。
しかし、買った瞬間に価値が半減する一般的なブランド品や自動車とは異なり、ロレックスのプロフェッショナルモデルは、極めて高い「換金率(リセールバリュー)」と「流動性(現金化のしやすさ)」を持っています。
- 一般的な浪費: 現金240万円 → モノ(価値ほぼ0円)= 純資産▲240万円
- ロレックス購入: 現金240万円 → 時計(買取相場 約180万円)= 純資産▲60万円
この取引の実態は、240万円の消費ではありません。
「日本円」という資産を、「ロレックス」という現物資産にポートフォリオを組み替え、その手数料として差額(約60万円)を支払ったに過ぎません。
手元には常に「いつでも現金に戻せる180万円の塊」が存在し続ける。
これが「ウェアラブル・アセット(着用できる資産)」たる所以です。
2. 差額の84万円は「タイム・イズ・マネー」の代償
では、定価(155万円)と実勢価格(240万円)の乖離である約84万円をどう正当化するか。
ここには、現代社会において最も高価な資源である「時間」が関わってきます。
正規店で人気モデルを購入するには、数ヶ月から年単位で店舗に通い続ける必要があります。
仮に、あなたの時給単価が1万円、あるいはそれ以上だとしたらどうでしょう?
週末の貴重な数時間を移動と行列に費やし、店員に頭を下げ、在庫がないと言われて帰宅する。
この「見えないコスト(機会損失)」を積み上げれば、84万円などあっという間に溶けてしまいます。
並行店で支払うプレミアム価格とは、単なる上乗せ金ではありません。
- 時間の買取: マラソンに費やす不毛な時間を「ゼロ」にする。
- 精神的自由の確保: 「買わせていただく」という歪んだ商習慣からの解放。
- 効用の最大化: 明日からすぐに、最高の実用時計を人生のパートナーにできる。
「時間を金で買い、その浮いた時間で本業に専念して稼ぐ、あるいは人生を楽しむ」。
これこそが、富裕層や成功者が実践している当たり前の投資行動です。
また、高級腕時計の購入時、クレジットカード決済すれば、それだけで数万ポイント(約1〜2万円分)が還元されます。
現金ニコニコ払いより、実はここでも「得」が発生します。
私が愛用しているクレジットカードと、その活用術はこちら。
3. インフレヘッジとしての「現物資産」
もう一つ見逃せないのが、「法定通貨(円)のリスク」です。
銀行口座に眠っている240万円は、インフレが進む局面では実質価値が目減りし続けます。
特に輸入品である高級時計の価格は、為替の影響をダイレクトに受けます。
5年後、定価そのものが200万円を超えている可能性も否定できません。
ロレックスは世界中で需要がある「無国籍通貨」のような側面を持ちます。
日本円の価値が下がったとしても、ロレックスの国際相場は維持される傾向にあり、結果として「資産の保全」に寄与します。
「現金を寝かせておくリスク」と「時計に変えておくリスク」。
天秤にかけた時、一部を流動性の高い動産に分散しておくことは、決して非合理な選択ではありません。
もちろん、資産全てをロレックスにするのはリスクです。
ロレックスはあくまでポートフォリオのごく一部。
資産運用は、「NISAを用いた全世界投資信託」が鉄則です。
私が実践する、NISAを用いた資産運用の考え方はこちら。
※もちろん相場は変動するため、元本割れのリスクがゼロではありません。しかし、紙切れになるリスクよりは低いと判断しています。
4. 減価償却で考える「実質コスト」
この投資の「実質的なランニングコスト」を試算してみましょう。
プレミアム価格分の差額や、買取価格との乖離(約60万円と仮定)を、時計の耐用年数や保有期間で割ってみます。
仮にこの時計を10年間、毎日愛用したとします。
60万円 ÷ 120ヶ月 = 月額 5,000円。
たった月5,000円のサブスクリプション費用で、世界最高峰の堅牢性と精度を誇るダイバーズウォッチを、毎日自分の腕に巻くことができるのです。
しかも、契約終了時(売却時)には、まとまった現金(買取価格)が手元に戻ってきます。
これほどコストパフォーマンス(ROI)の高い趣味が、他にあるでしょうか?
【補足】マネーフォワードなどの資産管理アプリで管理するなら
私は、資産管理にマネーフォワードを愛用しています。
プレミアムに料金を支払って使う理由はこちら。
https://cosperlabo.com/entry/money-forward-premium
最後に、この「ウェアラブル・アセット」を家計簿アプリ等で管理する際の、実践的なテクニックを紹介します。
これを徹底することで、自身の資産状況をより正確に把握できます。
1. 入力は常に「時価(Mark-to-Market)」で
資産カテゴリに「Rolex」を追加する際、購入金額(¥2,398,000)を入力してはいけません。
含み損が見えなくなり、健全なB/S管理ができないからです。
その時点での「大手買取店の上限価格(例:¥1,800,000)」を入力してください。
2. 差額は即時「損切り(PL計上)」する
購入額と時価評価額の差額(約60万円)は、購入した月の「特別損失」や「趣味・娯楽費」として計上し、買った瞬間に全額償却します。
痛みを伴いますが、これにより翌月からは「純粋な資産」だけが手元に残る形となり、精神的にも非常にクリアになります。
3. 定期的な「棚卸し」を楽しむ
半年に1回程度、買取相場をチェックして資産額を更新しましょう。
ロレックス相場は株式のように変動します。
相場が上がれば「含み益」として資産が増えるのを確認できますし、下がれば減損処理を行う。
このプロセス自体を、投資ゲームの一環として楽しむのが、マネーリテラシーの高い所有スタイルです。